NHKのロダンとクローデル特集 (2)

3部作という感じだったのかな

2009年5月12日放送

プレミアム8<文化・芸術> シリーズ巨匠たちの肖像 「ロダン あくなき生命への欲望」
http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10002200090905130030177/

これは「地獄門」を中心に構成


2009年6月14日放送

ロダン 新たな生命の探求者 日曜美術館
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0614/index.html

こっちは後期作品「バルザック像」がメイン


BShi 7月8日放送
総合 7月9日(木)午後3時15分 放送予定

アートエンターテインメント 迷宮美術館「キス!キス!キス!」
http://www3.nhk.or.jp/hensei/program/p/20090709/001/21-1515.html

  • 番組内容

古今東西のキスのアート大集合。純愛のキス、情熱のキス、歓喜のキス…芸術家がこめた思いとは?迷宮伝説ではロダンとの愛に生きた激情の彫刻家クローデルを特集。

  • 詳細

 内藤剛志松嶋尚美斉藤慶子,【アシスタント】今村香織,【司会】段田安則住吉美紀,【語り】奥田民義

  • 出演者ほか

内藤 剛志, 松嶋 尚美, 斉藤 慶子, 【アシスタント】今村 香織, 【司会】段田 安則, 住吉 美紀, 【語り】奥田 民義

ロダンの「接吻」とクローデルの「シャクンタラー」を軸に、クイズ形式…




どんな形であっても、カミーユ・クローデルの作品が紹介されるのは歓迎すべき事だとは思うが、結局「芸術家の愛と葛藤のドラマ」として語られていることに、ちょっとうんざりする。
芸能界ゴシップ中心のワイドショーに、限りなく近い。
解釈を固定する、過剰なまでのナレーションとBGMが邪魔だった。



迷宮美術館クローデル特集で、ちょっと違和感を覚えた部分。

「シャクンタラーを後に改作するが、そのとき男性はどう表現されたか? 」
1 男が消えた
2 男が女の首を絞める
3 ・・・(忘れた)

答えは「傷ついたニオベの娘」なので1が正解、ちゅうことだった。


これが、事実上最後の作品となった、という解説つき。  なんだかなー
なんか、メロドラマに仕立てすぎの解釈。
女性彫刻家が作る女性像は、すべて作者の分身という解釈なのかな。


事実上の遺作っていう解説も、かなり不正確でないかなぁ。
最後の大作といったら、こっちじゃないか?


2メートル弱の大理石像。「ペルセウスとゴルゴン」

ギリシア神話を元にした作品。
見たものを石に変える能力を持つゴルゴン族のメドゥーサを、盾を磨き鏡にして直接姿を見ずに討ち取ったペルセウス
何故か、天使の羽らしきモノがついているゴルゴン。 体は若い女性として表現されているが…


石膏での習作


ブロンズで作った初期の習作

盾をしっかり表現してるが、説明的すぎて邪魔。 大理石に彫り直すとき、盾は省略された。


制作中の写真


頭部のアップ

髪の毛が蛇。
元は美しい少女だったが「自分の髪はアテーナーの髪より美しい」と自慢したため、アテーナーの怒りをかい怪物の姿に変えられてしまったという伝承から。
切り取られ、掲げられた中年女性の首は、自分をモデルにしたともいわれている。



または「クロートー」像

長い髪に絡み付かれて苦しむ老婆。 元々は運命を紡ぐ女神のはずなのだが…
大理石を使い、絡み合う髪を超絶技巧で表現する構想だったようだけど、石膏の習作が残されているのみ。


女性像が作者の分身という解釈を採るなら、こっちの作品の方が迫力有るだろうに。
お茶の間向けバラエティにはなじまないから、ムリなのかな。



まぁ… ロダン抜きでは語れない人でもあるのは確かだけど、それを離れて紹介するとすれば

一般に(幼女好きに?)ウケル作品だったら
「幼い女城主」



静岡県立美術館が所蔵 「波」


この作品は、葛飾北斎富嶽三十六景・神奈川沖浪裏にインスパイアされたといわれてるから、日本で見られるのはうれしい事かも。