泣かせる映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
レンタルDVDで1年くらい前に見たけど、いまいちこの映画について書く気持ちになれずにいた。
この際だから、ちょっと雑然にメモ。
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製作発表のころから気になっていた映画だけど,結局映画館で見ることはなかった。
近所でやってないし、なによりも長いし・・・
DVDレンタル開始されて、しばらく経ってからようやっと見た。 いちおう見る前に、人物関係その他を復習しておいてたな。
かなり嫌な気分が残る映画だった。
サウンドトラック
まず映画のサントラにかなりの違和感が。
泣けとばかりに響く哀愁を帯びたギターの音色を選んだセンスに、かなり驚いた。
エンドロールに流れる「Pictures of Adolf Again」
監督インタビューより
若松 ジム・オルークが俺の映画の大ファンだって言うんですよね。もう、全部見てるって。それで「絶対にやらせてくれ!」と言ってくれたんで。実は別の某女性シンガーソングライターでという話もあったんだけど、「ジム・オルークでいく!」って断った。だって、最初に「俺と付き合うなら日本語話せるようになって来い!」って言ったら、一年後にホントに覚えてきたんだもの。断れないでしょ(笑)。でも、途中ウンザリしたと思いますよ。十何回もダメ出ししたから。やっぱりね、ジム・オルークの音楽なんだよね。作って来るのが。「違う、違う」って。俺はね、「ジム・オルークの音楽そのものが聴きたいならライブに行って」って思う。俺の映画の、『実録・連合赤軍』に合う曲が欲しかったから。いやあ、頑張ってくれましたよ、彼も。
今回改めてネットで映画の感想をあれこれ読んでみると、けっこう「泣いた」と書く人がいる。
ニコニコ生放送でのインタビュー抜粋
かつての(現役?)活動家たちに映画を見せたらみんな泣いていたと、満足気に語っている。
*1
これは泣かせる映画だったんだと、ようやっと気がついた。
こういう泣ける音楽は狙い通りなんだろう。
エンドロール
エンドロールが流れたときも驚いたな。
赤軍派と革命左派と分けてある。 こだわりが,未だに有るんだな。
赤軍派 | 革命左派 |
---|---|
遠山美枝子:坂井真紀 | 坂口 弘:ARATA |
森恒夫:地曵豪 | 永田洋子:並木愛枝 |
坂東國男:大西信満 | 吉野雅邦:菟田高城 |
植垣康博:中泉英雄 | 伊藤和子:一ノ瀬めぐみ |
: | : |
加藤能敬:高野八誠 | |
加藤倫教:小木戸利光 | |
加藤元久:タモト清嵐 |
このキャストの順番はどういう基準なんだろうかなぁ。
坂井真紀とARATAは、それなりに売れているから先頭なのかな?
坂井真紀は山岳ベースパートの主役で、ARATAはあさま山荘パートの主役という扱いだからかな。
永田洋子役の並木愛枝だって強烈な印象をのこしているのだから、映画への貢献度からも革命左派トップでいいんじゃないかと、ちょっと思った。 実際2008年、『実録 連合赤軍』で第2回アジア太平洋映画賞(APSA)の最優秀女優賞(ベスト5)にノミネートされているし。
予告編で「テーマ」を語っちゃってるタモト清嵐がラスト。 最年少の役柄だからなのか?
いろいろと謎な順列だ。
予告編
参考文献
スタインホフの名を見つけて「結局それか」「それしかないものなぁ」 と、なんか拍子抜けした。
今回改めて再確認してみて気づいたのだけど、永田洋子の「16の墓標」はスルー。
本当に永田洋子が憎いんだろうな。
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実録
歴史上の実名を用いた歌舞伎に「実録先代萩」ってのがあるけど、それと同じ意味での「実録」だな。
やくざ・極道映画の「実録」とも同じ。
光の雨が「劇中劇」という手法だったから、こんどこそは「実録」という意味もあるのだろうけど。
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連合赤軍について,あれこれ書いたモノ
http://londonbridge.blog.shinobi.jp/Category/6/
*1:どの本にも載っていないラストの少年の言葉は坂東國男から直接聞いたもので「事実を映画的に表現したもの」だと語っている。