もうすこしオバマのプラハ演説について (3) 確かな野党 共産党

ホームページの新しいバナーに、「核兵器の廃絶へ ヒロシマ ナガサキ プラハ演説」と出てくる。
http://www.jcp.or.jp/

これからは、オバマ大統領のプラハ演説にこだわった活動をするみたい。


こんな報道も

志位委員長が訪米検討 共産トップ初、要人と面会は微妙 2009.6.3 01:08
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090603/stt0906030110000-n1.htm


きっかけは、志位委員長がオバマ氏に送った書簡に、米政府から謝意を伝える返書が届いたこと。


志位氏の書いた書簡は、オバマ大統領のプラハ演説を高く評価するが、その問題点を具体的に指摘する内容で、かなり気合いの入ったものだ。


軍縮は、過去何十年にもわたって何度も繰り返し試みられてきたけれど、十分な成果を上げていない。 その歴史と理由を列記・分析して、改めて米国に核軍縮へのイニシアチブを期待する内容になっている。


なんていうか、アメリカに敵対(?)してきたからこそ、オバマの演説に過度の幻想を持たずに分析している感じ。



たとえば社民党だと、こんな感じ。

核兵器廃絶に向けた取り組みに関する申し入れ
http://www5.sdp.or.jp/comment/2009/moushiire090508.htm
1、オバマ演説を受け、核廃絶へ向けた国会の意志をあらためて表明するための方法を検討してください。


2、その際は、米国の消極的安全保証政策への支持を再確認し、米国が他の核保有国と同調して核の先制不使用を宣言することとに反対しないことを明らかにしてください。また米国が大胆な核削減を行なうことに反対しないことを明確にしてください。


3、オバマ大統領が求めているように、日本自身も旧態依然の核抑止への依存を断ち切り、安全保障戦略の中での核兵器の役割を減らす必要があります。具体的には「核の傘」への依存の縮小を求める立場を明確にしてください。


4、日本自身が核兵器保有の意志をもたないことを再確認すべきです。核兵器の不保有をたんなる政策選択の問題にとどめず、「非核三原則」の法制化の検討に着手すべきことを明らかにしてください。

核の先制不使用、「核の傘」への依存の縮小、なんてことを社民党プラハ演説から読み取っている。
この「申し入れ」は社民党が衆参両議長に渡したものだけど、この内容でオバマに手紙を出しても黙殺されるだけだろうな。


オバマの提案は、過去の枠組みを再活用することと、新たな核拡散防止の仕組みを構築することを宣言したものだ。
具体的には、ロシアとの交渉が始まっただけ。 アメリカの核戦略自体の変更には言及していない。 むしろ、NATOの結束を讃え、東欧のミサイル防衛の重要性を訴えている。
アメリカは「核の傘」を維持していくだろうし、先制不使用を宣言することも当面はあり得ないだろう。


志位委員長の書簡は、そういったアメリカの姿勢を踏まえたうえで、やはりプラハ演説は歴史的なものであると評価している。



民主党は「核の先制不使用」にこだわっているようだし、社民党は「核の傘」縮小を主張。
共産党の場合、当面の重点は国連での核兵器不拡散条約(NPT)交渉の進展においているという印象。

だからこそ、アメリカから返事が来たのだろう。
まぁ、「確かな野党」としての存在感を示したな。


アメリカからの返事がきたことで、今後の核軍縮交渉の席に、日本共産党が呼ばれるかも…
と志位委員長は考えているんじゃないか?






民主党社民党なんかよりも存在感を示せるような気がするかも。