【 朝まで生テレビ 】 29日深夜の馬鹿話

録画しておいたのを見たけれど…  


番組ホームページより

  今回は「難問山積の日本政治」をテーマに取り上げ、
  自民党民主党それぞれの問題点は?
  日本の安全保障をどう考えるか?
  政治の信頼を回復するためには何をするべきか? など
  各政党論客・各界専門家を参集し徹底討論する。


パネリスト:
茂木敏充自民党衆議院議員
河野太郎自民党衆議院議員
枝野幸男民主党衆議院議員
浅尾慶一郎民主党参議院議員
高木陽介公明党衆議院議員
小池晃日本共産党参議院議員
辻元清美社民党衆議院議員


上杉隆 (ジャーナリスト)
潮匡人帝京大学准教授)
高野孟 (ジャーナリスト)
森本敏拓殖大学海外事情研究所所長)
渡部恒雄東京財団研究員)
http://www.tv-asahi.co.jp/asanama/video/0905/program.html

ネクス防衛大臣 浅尾慶一郎

普段は見ることもない番組を何故見る気になったかといえば、浅尾慶一郎が出ていたから。


国務大臣経験者の茂木敏充、外務委員長の河野太郎ネクス防衛大臣浅尾慶一郎、その他、もう若手とは言えない中堅以上の人が出てくるんだから、少しはマシな番組に成っているかという期待もあったのだが…



朝日新聞の5月27日付東京朝刊19面に「<オピニオン>北朝鮮の核実験 インタビュー・石破茂さん、浅尾慶一郎さん」という記事が載った。
浅尾氏曰く『貨物検査へ法律つくり 敵基地攻撃の議論も 日本の「本気」を打ち出せ』だそうだ。


防衛大臣・現農水相石破茂米中対話で不拡散維持を 現実的でない強硬策 脅しに屈せぬ抑止力こそ』とは好対照。


次の選挙で政権交代を目指す野党第一党ネクス防衛大臣とも思えない、あまりに軽く軽率な話に驚いた。 次の防衛大臣に任命されるかもしれない立場で話しているのではなく、あくまでも「野党」という立場からの発言でしかない。 あまりに軽い。


細かく突っ込めば

そういう(貨物検査の)法律をつくる姿勢を示すことで、明確にわが国の意思を示すことができる。

姿勢を示す」だけ、なのだろうか?
与党側は法案提出するだろうけれど、民主党はどうするつもりなのか? 党がまとまるのか? 賛成するのか?

中国も北朝鮮に強く自制を求めないと、日本の国内世論は納得しませんよ、ということを伝えるべきだ。そういう議論の間に、周辺国が北朝鮮に影響力を行使すれば、日本にとっても望ましい方向で収束するのではないか

日本の国内世論」という抽象的なものが周辺国、つまり中国とロシアと韓国へのカードになるのか? 
そして「望ましい方向」に向かわなかったとき、「日本の国内世論」はどうなってしまうのだ? 民主党としてはどうするつもりなのだ?

確実なのは先にたたくということ。例えばオーストラリアが導入を計画している巡航ミサイルのトマホークのようなものを持つのも、一つの選択肢として考える。

横に並んでいる石破茂インタビューで論破されている。 何処を、どれだけ、そして効果は? 反撃にはどう対処するのだ?

この軍縮の時代に馬鹿げた軍拡をやるつもりは全くない。しかし、手段がなければそうならざるを得ない、という声が日本の中でも強まってくるということを、政府・与党は国際社会に明確に伝えてこなかった。『平和国家なのに何だ』と批判されかねない国内状況もあったと思う。私たち野党がこういうことを言えば、政府も『政権維持のため、弱腰だと言われないため、我々も対応せざるを得ない。北朝鮮の脅威がなくなれば、その必要もなくなるので、協力してほしい。我々を追い込まないでほしい』というメッセージを国際社会に伝えられる。

このネクス防衛大臣は、いったい何を言っているのだ???
結局打ち出すのは、野党として「姿勢を示す」とか「メッセージを国際社会に」だけだ。
具体的な政策は無し。 少しだけ有る具体案らしきものは、穴だらけ。



そんな浅尾氏が、番組ではどう扱われているか、受け入れられているのかを確かめたかった。


なんちゅうかな、番組内では北朝鮮核実験に対して、強硬論を唱える人は居てもいいよね」みたいな、ぬるい雰囲気が漂っていたように見えたなぁ。

安全保障について、一部文字起こし

北朝鮮の核実験について

田原総一朗 浅尾さん。 日本は今 どうすればいい? 本当に


浅尾慶一郎 今までの議論でですね、日本はアメリカ頼み中国頼みと言われていますが、それは自分で北に対するカードを持っていないからそういうことになる、ということだと思います。 中国に対してもカードを持っていない。 中国に対するカードは、先程来 話が出ています。
最終的に、北がいつまでたっても核を放棄しないのであれば、日本としても核のミサイルの撃たれるところに攻撃能力を持ちます、と 期限を切って いつスタートか別にして…


田原 ちょっとね、暴論を言いますよ
アメリカと中国を驚かすために、一番日本の暴論は、こんな事をやっていたら、日本にとって脅威だから、日本も核武装するぞ。 だからアメリカよ、何とか北朝鮮をを押さえろ、中国を押さえろ、やらなかったら日本も核武装するぞ、と。


浅尾 それは、私は反対です
私の反対の理由は、唯一の被爆国としての、その立場からの訴える力というものがありますし。
それから、現実考えると、日本の今の原子力発電は、日本が核開発をした瞬間に電気が全部止まるという、そういうことになりますから、現実的には難しい。


森本敏 この議論は、政策議論として後でやってもいいけれど、
しかし、今 田原さんが言ったことは重要で、日本の中でそういった議論があることをアメリカは知っている。 最近、先週も先々週も、来週も米国のスタインバーグ国務副長官が来るけれど、全部そうなんだけれど、アメリカはいわゆる日本の核の議論が興っていることを非常に気にしているんです。世界でもっとも気にしているのはアメリカですよ


田原 あのね、具体的に言うとキッシンジャーと宮澤さんとが賭をした。キッシンジャーは10年以内に日本は核を持つ、宮澤さんは持たない、と
3回やって、3回とも宮澤さんが勝った。
だから絶対向こうは持つと思ってる。
枝野さん、どうすればいい


枝野幸男 さっきの田原さんのお話は、核というカードを使うことは私は反対なんですが (田原 :あれは暴論だから
所詮、アメリカにとっても中国にとっても、日本ほど切実さはないんですから。
それは脅かすしかないわけでしょう。
脅かすにあたっては、それは軍事的な手段だけではなくて、たとえばアメリカは、実は経済的に見れば日本がアメリカ国債を買わなくてもファイナンスが出来ると私は見ていますが、しかしイメージとかトータルのことを考えれば、言う事を聞かないんだったらアメリカ国際買わないぞ、というカードは持っているわけだから


田原 でも一番(米国債を)買っているのは中国でしょう


枝野 中国に対しては、日中関係でもですね、それは日本の財界は嫌がるかもしれないけれど、それは中国にとっても日本の技術・資本・原材料・部品・工作機械を買うということが無いと中国の成長に大変な影響を与えるわけですから、経済というカードでは。
日本は本当に切実なんだから、もうちょっと言うこと聞いてくれないと、ちゃんとやってくれなければ、いろいろ経済的なところでやるぞ、ということくらい、私はやるべきだ。
でないと、中国は動くはずがない。


……………………………
この後、高木陽介が批判、高野孟は枝野をフォロー。 茂木敏充は「暴論にはつきあってられないze」といった感じで番組が進んでいく。


田原の釣りに引っかかる民主党二人組

北朝鮮問題では、枝野幸男がすさまじくダメだな。 想像以上に惨い。

所詮、アメリカにとっても中国にとっても、日本ほど切実さはないんですから。

国際情勢を見る目が、これでは問題外。
アメリカにとっては、核拡散が最大の脅威だろう。 それに北朝鮮で対応を誤ると、イランの核問題にも波及する。


1994年のことを覚えていないのだろうか?
カーター元大統領の訪朝直前まで、ほとんど一触即発の状態だったのだが。
今回の事態は、あのときに匹敵する事態まで行く可能性が、かなり高いのではないか。



彼の基本的発想は北朝鮮を叩くムチは日本にはないから、アメリカと中国を脅かして動かす」かな。 
それで事態が動くと考えているところが、現実離れしすぎる。
それをやったら、日本はハブにされて、米中が手を組むだろう。
そして、中国から日本が手を引いたところに、欧米が入り込むだけ。
いいことが何もない。


だいたい、「日本のために血を流してくれ」と米中に経済カードを切って脅す、という発想がイマイチ。
それでオバマ胡錦濤を動かせると妄想するあたり、おめでたすぎ。
普通は逆じゃないのか??
両国に「日本のために血を流」してもらうのだから、経済的には日本は身銭を切ります、といくしかないように思えるのだが、それは嫌なのか?? プライドが許さないから、なのか?


「米中を少しくらい脅かしても、日本は大国だから何とかなる」という、ものすごいプライドと自信をもっている人だな。


なんちゅうかなぁ…
枝野氏は、気持ちの底の方で反米なんじゃないか?
日米安保なんて無くてもいい、無い方がいい、自主独立だ、という傾向があるのじゃないか??