北朝鮮が核実験実施

CNNはこれ一色である。


オバマプラハ演説の感想や、その波紋について書こうとしていたら、さっそくこれだ…

オバマプラハ演説要旨

日本では「核廃絶」演説と受け止められている感じなのだが。
そもそもオバマプラハで何を訴えていたのか
ここはあえて、ちょっと長いけれど日本共産党衆議院議員 吉良州司氏の要約を引用します。(理由は後述)

オバマ大統領の歴史的なプラハ演説によせて2009/04/07
http://www.kirashuji.com/report/page/page_id/022009040700015001/


(1) 米国は、核兵器保有国として、そして核兵器を使ったことが
   ある唯一の国として行動する道義的責任がある。


(2) 米国は核兵器のない世界の平和と安全保障を追求することを
   表明する。


(3) 冷戦思考に終止符を打つため、米国の安全保障戦略の中での
   核兵器の役割を削減し、他の国にも同調を呼びかける。


(4) ただし核兵器が存在する限り、抑止のための、安全で、厳重に
   管理された核戦力を維持する。そしてチェコを含む同盟国に対し、
   その核戦力による防衛を保証する。一方で、米国の核戦力を
   削減する努力を始める。


(5) 核弾頭と貯蔵核兵器削減のため、今年ロシアと新たな
   戦略兵器削減条約を交渉する。メドベージェフ・ロシア大統領と
   私はロンドンでこのプロセスを始め、今年末までに新合意を
   目指す。そして他のすべての核保有国に同合意への参加を促す。


(6) オバマ政権は包括的核実験禁止条約(Comprehensive Nuclear
   Test Ban Treaty=CTBTあらゆる形での核実験を禁止する
   条約)の批准を目指す。核実験はいよいよ禁止される時だ。


(7) 核不拡散条約(Nuclear Non-Proliferation Treaty=NPT=
   核軍縮を目的に、米国、ロシア、英、仏、中国の5カ国以外の
   核兵器保有を禁止する条約)など既存の核に関する規制を
   強化する。


(8) 民生用原子力協力のため、国際的な核燃料バンクを含む、
   新たな枠組みを作り、核拡散の危険を増すことなしに原子力
   利用ができるようすべきだ。


(9) 今朝(4月5日)我々は、核の脅威への断固たる対応が必要だと
   再確認した。北朝鮮が長距離ミサイルに利用できるロケットの
   実験を行い、再び規則を破ったからだ。この挑発に対して厳しい
   国際対応をとる時だ。北朝鮮は脅しや違法な兵器によって安全と
   敬意を勝取れないことを理解すべきだ。


(10)イランに対し、私の政権は相互の利益と尊敬に基づく関係を
   追求する。我々はイランが世界において政治的・経済的に
   正当な地位を占めることを望む。我々はイランが査察を条件に
   原子力エネルギーの平和的利用の権利を認める。


(11)イランの核や弾道ミサイルをめぐる活動は、米国だけでなく、
   イランの近隣諸国や我々の同盟国の現実の脅威だ。チェコ
   ポーランドは、これらのミサイルに対する防衛施設を自国に
   置くことに同意した。イランの脅威が続く限り、ミサイル防衛
   (MD)システム配備を進める。脅威が除かれれば、欧州に
   MDを構築する緊急性は失われるだろう。


(12)テロリストが核兵器を取得することは世界の安全への最も
   差し迫った、大変な脅威だ。アルカイダは核爆弾を求めている
   と表明している。安全に保管されていない核物質が世界各地に
   あるが、人々を守るために我々は目的意識を持って直ちに
   行動しなければならない。


(13)今日私は、テロリストに狙われるあらゆる核物質を4年以内に
   安全な管理体制下に置くため、新たな国際的努力を始めることを
   発表する。これらの物質を厳重な管理下に置くため、
   新しい基準を制定し、ロシアとの協力関係を拡大し、
   また他の国との新たな協力関係も追求する。


(14)核物質の闇市場をつぶし、移送中の物質を探知・阻止し、
   財政手段を使ってこの危険な取引を阻止する取組みも強化
   すべきだ。大量破壊兵器の拡散防止構想や核テロリズム
   対抗するグローバル・イニシアチブ(GI)などを恒久的な
   国際機関に変えるべきだ。まずそのはじめとして、米国は
   1年以内に核管理に関する首脳会議を主催する。


(15)こんなに広範囲な課題を実現できるのか疑問に思う人もいる
   だろう。各国の思惑に違いがある中で、真に国際的な協力が
   可能か疑う人もいるだろう。核兵器のない世界、そんな
   実現できそうもない目標を掲げることを疑う人もいるだろう。


(16)このことに関して国や人びとがそれぞれの違いを認めて
   しまうと、お互いの溝は広がっていく。我々が平和を追求
   しなければ、平和には永遠に手が届かない。協調を否定し、
   あきらめることは簡単だが、臆病なことだ。そうやって戦争が
   始まる。そうやって人類の進歩が終わる。


(17)我々の世界には、立ち向かうべき暴力と不正義がある。
   それに対し、我々はともに手を携えて立ち向かわなければ
   ならない。


(18)人類の運命は我々自身が作る。ここプラハで、よりよい未来を
   求めることで我々の過去を称賛しよう。分断に橋をかけ、
   希望を持って建設し、平和な世界、繁栄する世界への責任を
   担おう。共にならば、我々にはできるはずだ。


単純に「核廃絶」の夢を語っているわけではないのに注意。


ここあたりの言い回しも重要。

As long as these weapons exist, the United States will maintain a safe, secure and effective arsenal to deter any adversary, and guarantee that defense to our allies ?- including the Czech Republic.


もちろん、核兵器が存在する限り、わが国は、いかなる敵であろうとこれを抑止し、チェコ共和国を含む同盟諸国に対する防衛を保証するために、安全かつ効果的な兵器を維持します。


欧州のミサイル防衛については、こうも言っている。

 はっきり言いましょう。イランの核開発・弾道ミサイル開発活動は、米国だけでなく、イランの近隣諸国および米国の同盟国にも真の脅威を及ぼします。チェコ共和国ポーランドは勇敢にも、こうしたミサイルに対する防衛システムの配備に同意してくれました。イランからの脅威が続く限り、私たちは、費用対効果の高い、実績のあるミサイル防衛システムの導入を続けていきます。イランの脅威がなくなれば、私たちの安全保障の基盤が強化され、ヨーロッパにミサイル防衛システムを配備する動機がなくなります。


今回の北用船の核実験は、オバマプラハ演説に揺さぶりをかけたものなのだろう。


NATO加盟国の団結と強い決意を訴えた演説をしたオバマだけれど、別の意味のNATO(Not Action Talk Only)となってしまうのかを注目。


いわゆる西側諸国が、中国とロシアど共同歩調をとれるかが、当面の課題だろうかな。