オリコン裁判(烏賀陽裁判)の判決が出た

オリコンの完全勝利
判決文ってのは毎度のことながら読みにくいのだけど、烏賀陽氏側の主張がことごとく退けられている。


オリコン側の狙いは「オリコンのチャートは信頼できるものだ」という裁判所のお墨付きを得るためのじゃなかったのか? という印象。


オリコン側弁護人は19人、烏賀陽氏側は5人という差が出たのかも。
烏賀陽氏側は肝心のオリコン追求に関しては、裁判所を納得させることはできなかったな。


あれこれ関連サイトも見てみるが、証拠としては弱いのではないか、という印象を持ったな。

反訴事件について、ちょっと気になるところ

烏賀陽氏側は「言論の自由」をメインの争点にしていた。


判決文より

 また,一般に,訴訟を提起しようとする者がそれに先立つ事前交渉を行う義務を負担することはないし,また,名誉毀損に対する対抗言論の手段を持つ者が訴訟提起の手段を自粛する義務を負うわけでもない。したがって,仮に,原告が事前交渉や対抗言論をせずに本訴を提起したものであったとしても,それだけで本訴の提起を違法と評価することはできない。

マチュアとプロとでは判断基準が違うわけではあるが、それにしても「グロービートジャパン平和神軍事件裁判」の判決とはずいぶん違うなぁ、という印象。



ちなみに同じ裁判長の、別の判決

東京女子医大事故報道で地方紙3社に賠償命令 共同通信の責任は否定
http://news.livedoor.com/article/detail/3312428/
東京女子医大病院の医療事故に関する共同通信社の記事で名誉を傷つけられたとして、医師の佐藤一樹被告(44)=刑事事件で検察側が控訴=が同社と記事を掲載した地方紙3社を相手取って総額2090万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2007年9月18日、東京地裁であった。綿引穣裁判長は「通信社からの配信というだけでは、記事の内容が真実だと誤信する理由にはならない」として、3社に計385万円の支払いを命じた。
3社は、秋田魁新報社秋田市)、上毛新聞社前橋市)、静岡新聞社静岡市)。綿引裁判長は「一定の信頼性を有しているとされる通信社の配信記事であっても、真実性について高い信頼性が確立しているとは言えない」とする最高裁判例を引用して、新聞社の責任は免れないとした。一方、共同通信については、「警察会見などから佐藤被告の医療ミスが原因と信じる理由があった」と述べ、その責任は認めなかった。

構図的には似たようなモノのように思えるのだが?
今回はコメントした記者の責任を認めて、掲載した出版社編集は無関係とされているのが、かなり不思議。


なぜ「サイゾー」が訴えられてないのか?
「三流ゴシップ誌を訴えても意味はない。 元朝日で岩波な人を狙え」という企業戦略のような気がしちゃうな。


オリコンは調査会社としての「信頼」を勝ち取ったと思うが、メディア企業としては、かなり嫌な会社になっちゃったな。


関係者のリンク

UGAYA Journal.  http://ugaya.com/
サイゾーのコメント http://www.cyzo.com/2008/04/post_508.html
オリコンのプレスリリース。 http://www.oricon.jp/news/data/20080422.pdf(pdf)
音楽配信メモ オリコン烏賀陽裁判の地裁判決文をアップしました http://xtc.bz/index.php?ID=500
判決文(PDF) http://xtc.bz/file/oricon-tisai.pdf