学術会議の最終報告書案が出来た模様だが…

書くのが遅くなってしまったが…最終報告書あくまでも(案)であって、まだ正式に公開されていないのじゃないかな。 何処かで読めたりするんだろうか?
各紙報道を読む限りでは、2003年に厚生労働省の生殖補助医療部会が出した報告とほぼ同趣旨の模様。 まぁ予想通りの結果だった。


中国新聞社説子は「国民を巻き込んだ議論を尽くせ」と書いているが、社説で論じているのを確認できたのは中国新聞産経新聞朝日新聞毎日新聞だけだった。
各紙とも先月に立場表明したので今回はお休み、というところかな。 正式文書として公表されてから、改めて社説で取り上げるのかも。

http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200803090109.html
中国新聞社説「代理出産最終案 法整備へ議論を尽くせ」

http://sankei.jp.msn.com/life/body/080308/bdy0803080320000-n1.htm
産経新聞【主張】「代理出産 今後は法の整備が重要だ」

http://www.asahi.com/paper/editorial20080308.html#syasetu2
朝日新聞社説「代理出産―例外をどう決めるか」

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080309ddm005070170000c.html
毎日新聞社説:「代理出産 たなざらしせず国会で議論を」


生殖補助医療の中で、代理出産問題だけが「前倒し」で議論されているのは、諏訪マタニティークリニック院長 根津八紘が代理出産をやり続けているから、でしか無いだろう。
今回の報告書案は生殖医療全般の法整備よりも、STOP根津が主目的としか思えない。 
代理出産を容認するとしても、諏訪マタニティークリニック方式では駄目だ」と、そこだけは各委員の意思が一致したように見えちゃうな。


当然根津八紘は猛反発。 代理出産を辞める気はない模様。 法律が出来るまでは続ける気でいるようだし、違法とされたって実施して、法廷で争うような雰囲気だ。

「法律で原則禁止」 容認論、国民に強く 厚労省及び腰(毎日新聞 2008年3月8日)
http://mainichi.jp/select/science/news/20080308ddm012040103000c.html
◇根津医師は強硬「悪法に従わぬ」

 日本学術会議代理出産禁止を求める報告書案をまとめたことを受け、8例の代理出産実施を公表している諏訪マタニティークリニック(長野県下諏訪町)の根津八紘院長は7日夜会見し、「代理出産を必要とする当事者の意見が反映されていない。子宮のない女性が助けを借りて子供を作ることが罰するほどの悪なのか」と反論。「必要とする人たちのため、代理出産は続ける。悪法には従うつもりはない。法制化されるまでに、禁止の流れを食い止めたい」と述べた。また、報告書案が試行で代理出産実施の可能性を残したことについては「民意を納得させるジェスチャー」と批判した。


諏訪マタニティークリニックのサイトも、2月以降は活発に更新されている。
http://www.smc.or.jp/smc/smc004.html


これまでは、「お涙ちょうだい」というか「泣き落とし」戦術とでも言うような雰囲気だったのが、かなり戦闘的な態度に変わってきているように思える。
日本産科婦人科学会に対して攻撃的なのは、以前からの因縁を考えると解らなくはないが、それにしても不必要なまでに攻撃的じゃないかという印象がある。



それと、「祖母が孫を産む」ことをベストの方法だと主張しはじめてように見えることに、ちょっと注目。
2006年10月の「祖母が孫を産んだ」発表は、かなり衝撃的で反発が大きかった。 代理出産には理解を示していた人も「高齢出産で、しかも祖母が…」とひいてしまったと思うのだが…。


あと、「養子制度よりも代理出産の方がマシ」と思えるようなことも、サイトに掲載している。 
親族内で完結する事柄だから、他人が、ましてや国家権力が干渉する問題ではない、ということらしい。


もうひとつ注目なのは弁護士・桐蔭横浜大学法科大学院教授 遠藤直哉が何故か頑張っていること。
違法とされても、彼と共に法廷で争うつもりでいるのだろうかな?


遠藤直哉の生殖補助医療の現状認識は以下のとうり。

 生殖補助医療の発展にともない、AID・精子提供・卵子提供・代理出産着床前診断などは、患者のニーズに応えて、みごとに花開いてきたといえる。
http://www.smc.or.jp/smc/smc004_29.html

どーなんだろうか。  
根津・遠藤両氏が暴走しているとしか見えないけどなぁ。 
彼らと共に戦う産婦人科医・弁護士はいるのだろうか?
代理出産だけなら、まだまだ賛同者は居たかもしれないが、これでは誰もついてこないのではないか。
どんどん過激というか、「使える技術はすべて使うべき」となっているという印象。