ケータイ小説の起源
ケータイ小説をなめてはいけない──日本近代文学と「女学生」 -猪瀬直樹の「眼からウロコ」 ビジネススタイル - nikkei BPnet
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/inose/071211_20th/index.html
はてBで見つけた。 それなりに面白い指摘ではある。
しかし男性作家が書く「女学生」のことは、また別の話だろうに。 オヤジがギャルに翻弄されるのは定番過ぎる古典的なお話だ。 魔性の女、謎の女なんてのも同様。その昔、女子大生ブームがあったころ夕暮れ族も、似たようなものだろ。
夕暮れ族
【年代】 1979年 【種類】 若者言葉
夕暮れ族の解説
夕暮れ族は、吉行淳之介の『夕暮れまで』(1978年)という著書に描かれたカップルを取り上げて出来た言葉で、中年男性と若い女性のカップルを意味する。
また、1980年代初頭には売春買春を仲介する愛人バンク『夕暮れ族』というものも登場。発起人である筒見待子のルックスがよかったこともあり、マスコミでかなり話題になったが、1983年に摘発され解散している。
どちらの夕暮れ族からきているかは不明であるが、1980年代には「あの子、おとなしい顔して夕暮れ族なんだって〜」といった形で、「金持ちの愛人になる若い女性」という意味でも使われた。また、平成に入ると中年女性と青年のカップルを意味する逆夕暮れ族という言葉も使われた。
(日本語俗語辞書)
どーせなら紫式部・清少納言まで遡って大風呂敷広げりゃいいのに。
まぁ、追加情報という感じで、あれこれと
明治時代の「女学生」は小杉天外『魔風恋風』にこんなふうに描かれている。
「鈴(ベル)の音高く、現れたのはすらりとした肩の滑り、デートン色の自転車に海老茶の袴、髪は結流しにして、白リボン清く、着物は矢絣の風通、袖長けれど風に靡いて、色美しく品高き十八、九の令嬢である」
自転車に乗る「女学生」は時代の最先端を走っていた。
この小説のモデルの一人は三浦環
三浦環と自転車
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=ttravel&page=3&nid=46781
国立国会図書館第148回常設展示 「女學生らいふ」
http://www.ndl.go.jp/jp/gallery/permanent/jousetsu148.html
樋口一葉が参加した『文学界』から始まって小説の話がメインだけれど、詩歌の方にも言及して欲しかったような。
与謝野晶子周辺のこととか。
「青鞜」周辺のこと
それにしても、「唯一の女流文学雑誌」と銘打った「青鞜」をまるで無視して、男性作家が書く「女学生」のことばかり書くのはいかがなものか。
ちなみに「青鞜」は、いまでこそ文学史史上の大事件のように扱われているけれど、出版当初はちょっと微妙な存在。 発行部数は少ないし、誤字誤植だらけで、同人誌に限りなく近かった。
創刊号に寄稿した人のうち、世間に名が通っていたのは歌人与謝野晶子と作家田村俊子、スキャンダルで有名だった平塚らいてうくらい。
森鴎外夫人の森しげ女、国木田独歩夫人の国木田治子、東京帝大教授物集高見の娘物集和子、という「知る人ぞ知る」という名前は有るけれど。
田村俊子のこと、とか
田村俊子は、中央公論や新潮に小説を書く「普通」の流行作家だった。 「女流作家」という肩書きではなくて、普通の流行作家。
幸田露伴の門下に入り、小説を幾つか発表するも鳴かず飛ばず。 露伴から離れ、劇団に所属し、女優として舞台に立ったりするも、いわゆる「美人」ではないので悶々とする。
そうこうしているうちに、露伴門下の兄弟子で、当時は「自称作家」というか「作家崩れ」だった田村松魚と結婚。
夫の薦め勧めで書いた小説が大阪朝日新聞懸賞小説一等になり文壇デビュー。 流行作家の仲間入りすることになる。
そこあたりを書いた小説が「木乃伊の口紅」。青空文庫に収録されてます。
田村俊子:作家別作品リスト(青空文庫) http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person655.html
彼女の小説の題材に、当時の「女学生」や文学サークル・劇団サークルを取り上げたものがけっこう有る。
10年くらい前に読んだのだが、明治大正が舞台の小説がそれほど古びていないのに、ちょっとビックリしたな。
「木乃伊の口紅」は、設定をちょっと変えれば、まだまだTVドラマの原案等に使えるのじゃないかな?
漫画家を目指して上京し、有名漫画家のアシスタントになるが、商業誌デビューできないまま苦悩、飛び出してしまう。
ひょんなきっかけから劇団に所属してタレントを目指すうちに、先輩の男性アシスタントとくっつく。
あれこれ苦労と喧嘩を重ねて、文学賞受賞。 しかしそれは、夫との新たな戦いのはじまりだった…
- 作者: 田村俊子
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2007年 年間ベストセラー発表
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『ケータイ小説の「リアル」とは何か?』(『【A面】犬にかぶらせろ!』)
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ケータイ小説を理解している人をニュータイプとか言う人間は既に老害化しているという衝撃の事実(『こどものもうそうblog』)
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ヤンキーとテンキーとケータイ小説(倫敦橋)
http://d.hatena.ne.jp/LondonBridge/20070911/1189453384