雪崩は民意か?

参院選で「民意」を見誤った中川秀直のサイトを読んで、「これはひどい」のタグを付けたくなったな。
雪崩現象は派閥中心の談合ではない、ということらしい。
皆が「民意」という名の勝ち馬に乗ろうとしただけではないのか?
その結果、額賀氏のような「少数意見」は圧殺され、大衆扇動政治路線に向かっているように見える。

「民意は福田」だ

朝日と読売の15日午後から16日実施の自民党総裁選に関する緊急全国世論調査の結果が発表された。
(略)

―中川の眼―

朝日と読売の世論調査で、民意の6割が福田さんを支持していることが明らかになった。「民意は福田」だ。


しかし、麻生さんは、福田氏支持の動きを古い自民党への回帰と批判しているが、逆ではないのか。小泉前総理がすでに自民党をぶっ壊し、「派閥中心の自民党」から「民意中心の自民党」に変えている。なぜ、自民党内で「福田雪崩現象」が起きたのかといえば、民意の過半数が福田さんを支持しているからである。


派閥の論理で福田雪崩が起きたのではなく、民意の論理で起きたのである。自民党内で「麻生雪崩」が起きないのは、民意の20%台しか麻生支持がないからである。


朝日の調査では、次の首相のタイプは、協調型62%、決断型31%となっている。理由は、分断政府としての07年体制にあると思う。分断政府を機能させるためには、民主党との政党間協議による合意形成が不可欠だからである。その意味で、次の総理・総裁のイメージは、「強さ」より「安定」になるのである。事実、朝日の福田さん選択の第1の理由が「安定感があるから」となったのも必然である。


判官びいきもあり、メディアには「古い自民党にいじめられている」という麻生さんを応援する論調が目立つようだ。しかし、「福田雪崩現象」も「民意は福田」を党内が受け入れたにすぎないことが次第に明らかになるはずだ。福田さんが福田さんらしく、奇策に走ることもなく、こつこつと、誠実に、実直に、うったえを続けていけば、メディアも「民意は福田」ということを受け入れるようになるだろう。(9月17日記)
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