中川秀直幹事長の失敗

そこそこ好きな政治家なんだけどなぁ。 
今回の大敗の責任者であるのだが、どこあたりで失敗したかなど考えてみる。


2007年1月21日の知事選の分析と、その後の対応が不十分だったからのように思える。
そのまんま東知事誕生は、たしかにショックだったけれどその後の地方首長選挙では民主は相変わらず振るわず、自民推薦候補が勝ち続けたことで安心しちゃっていたのじゃないかな?


知事選直後の中川秀直の「トゥデイズアイ―中川の眼―」より

■ (県知事選)「保守大同団結」を上回る価値など存在しない
http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=424

読売新聞社
 自民党も心もとない。宮崎県の場合、保守分裂が最大の敗因だ。だが、読売新聞の出口調査では無党派層過半数に加え、自民党支持層の3分の1がそのまんま東氏に流れている。自民党にとっては深刻な事態だ。

今にして思えば、今回の参議院選挙でも自民党支持層のかなりの部分が民主党に流れている。

この社説に対して、中川氏はこういうコメントを書いている。

ところで、私は無党派基礎票を分ける分類には問題があると思っている。マスコミで無党派といわれる層は、基本は「保守」だからだ。昔から、後援会や友好団体に所属している方でも、ご本人が納得しなければ投票していただけない。しかし、昔は、推薦候補以外は180度政策の違う人だから選択の余地はなかったが、冷戦崩壊後の今日は選択の余地が広がっているのである。何党であれ、なぜその候補がいいのかの説明責任は重いものになっているのだ。


だから、私は無党派対策と友好団体対策は究極において一であると思っている。それを切り分けた対策は、いずれからも支持されないだろう。もしも、単純化して「小泉自民党以前=友好団体重視、小泉自民党無党派対策重視」とするならば、安倍自民党は両方を一にした選挙戦略をとることが特徴となる。

分析は当たっているよう思えるが、対応策の部分で読み違えていたのではないか?
小沢一郎および民主党左旋回も目立つけれども、基本的に「保守」だと選挙民には認識されているような気がする。
鳩山・菅・岡田あたりが地方遊説したところで、友好団体や保守票を取れたかは微妙だったろうなぁ。 彼らだと党首時代に、かなりリベラルよりの発言が多数有り過ぎかも。
保守層は主張が180度政策の違う人には入れないだろうけれど、90度程度(?)の斜めは許容範囲なのかもしれない。

「小泉自民党以前=友好団体重視、小泉自民党無党派対策重視」とするならば、安倍自民党は両方を一にした選挙戦略をとることが特徴となる。

これは結果的に失敗。 両方とも落としてしまった。 今回、友好団体は機能せず。


中川氏は、政策論争をしたら絶対に勝つはずだ、と思っていたようだ。 しかし残念ながら、そういった機会は無かったなぁ。 自身のblogで孤軍奮闘という印象。
無党派対策は、「大臣の不祥事」の火消し失敗に尽きるか。


それにしても面白いのは、丸川珠代が当選したこと。
選挙権が無いことが発覚後の、恥かいて怒られて懺悔して泣きつくという一連の騒動報道が「みそぎ」になっちゃたんじゃないのかなぁ?


彼女を見てると、柳沢・赤城両大臣も街頭に出て、もっと罵倒され、懺悔し続けた方がよかったのではないか? それで票が取れるかは別にしても、他の辻立ちしている末端の自民党運動員が罵倒され、「なんで俺が…」という不満は少しは解消されたかも…


今回は現職総理大臣ほか麻生・小池・小泉などの人気者だけを重点的に応援にくりだしていた。 たしかにその場だけは盛り上がったのだろうが、それを党全体の人気と見誤っていたのではないか。