哀・戦士

人類が増え過ぎたパソコンをネットに接続させる様になって、既に四半世紀が過ぎていた。マスコミの周りの巨大な言論空間はネットワーカーの第二の故郷となり、人々はそこで言葉を生み、育て、そして死んでいった。
宇宙世紀0079、マスメディアから最も遠い出会い系サイトは市民ジャーナリズム公国を名乗り、連邦軍独立戦争を挑んできた。 この一ヶ月余りの戦いで公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々は自らの行為に恐怖した。
戦争は膠着状態入り、十八ヶ月余りが過ぎた。

「地球の重力に魂を縛られた人々に絶望した」
「空中浮遊する人を信じてたからだろ」


腰巻きの文案

インターネット、そこは最後のフロンティア。
これは、デジタルジャーナリズム研究会が、新旧メディアのエース級人材の下に、二十一世紀において任務を続行し、 未知の世界を探索して、新しい金脈と文明を求め、 人類未踏のインターネットに、勇敢に航海した物語である。


連邦軍というのは実質五〜六人のグループでしかないらしい

君達は知っているか?
日本の支配を企む巨大な悪の力がネットに忍び寄っている事を。
だが、その日本侵略を阻止すべく小さなblogに限りない勇気とパワーを秘めた五人のヒーローが降り立った。
彼等の名は…

二十一世紀初頭のインターネットは、ニートにとって世間に開かれたただ一つの窓であり、巨大な利権と暴力の渦巻く暗黒の空間であった。 この利権を操るのは一握りの豪商たちであり、貧しいブロガーたちは彼等の搾取に泣き、その暴力におびえるしかなかった。
ここに、白日の法の下で裁く事のかなわぬ者は絶対的正義の下に斬ると思い定めた、匿名の裁き人が登場する。
DJ研、これを呼んで連邦軍という。


市民ジャーナリズムって、どうなっていくのかな

ブロゴスフィアにまたひとつ、市民ジャーナリズムサイトが誕生しつつあった。人々は、未来の栄光を信じ、新天地の開拓に夢をかけた。
だが、その上空を覆う黒い影。今、戦いの狭間を、若き著名ブロガー、気鋭のジャーナリストの青春が駆け抜ける!

この広いネットの中には、幾千、幾万の人達がいて。
いろんな人が、願いや思いをいだいて暮らしていて。
その思いは、時にふれあって、ぶつかりあって。
だけど、その中の幾つかは、きっとつながっていける、伝えあっていける。
これから始まるのは、そんな、出会いとふれあいのサイト。
市民ジャーナリズム2.0、始まります。

誰かと心がすれ違うたび…、ぶつかりあうたび…
ずっと思っていました…。言葉で…、気持ちで…
思いの全てが伝わったらいいのにって…


だけど、言葉より…正しさに…強い願いを持つ人がいる…


必要なのは、言葉じゃなくて…強い心…


嘘も迷いも何もない、心を決めた真っすぐな瞳に、私達は立ち向かう…