ノスタルジーが溢れまくる「時をかける少女」

ネットで評判ということなので、観てみたが……

時をかける少女 通常版 [DVD]

時をかける少女 通常版 [DVD]

ラベンダーの香りは出てこないのか…、と思う私は1972年版を観た世代である。
1983年版 原田知世のも観てるはずだが、こっちは完全に忘れてるなぁ。
予告編を見てみると、アニメは83年版のリメイクという雰囲気。 ピアノ曲の使い方や自転車は、あまりにあざとい…

アニメ版の主人公が17歳の高校生というのには、どうもリアリティが感じられない。
「バベル」の菊地凛子演ずる「チエコ」と同じ歳には思えない。
上級生に告白でドキドキとか、男女でキャッチボールするのは、せいぜい中学生までじゃないか?


夏の青い空と濃い緑、夕陽にきらめく川辺…。 異様にノスタルジーを強調する、雑然とした郊外の風景。
ラスト近くに、色が消えた都会の風景が出てくるのだけれど、街がまるで「廃墟」の様に見えた。


脚本は奥寺佐渡子。 お盆、というか夏休み映画「学校の怪談」シリーズの人だったんだな。

学校の怪談4 [VHS]

学校の怪談4 [VHS]

この映画は、けっこう好き。
愛を乞うひと [DVD]のスタッフ・キャストが、小学生を主人公にして撮った佳作。
脇役が意外に豪華、というか味があった。
ドキドキハラハラ、しみじみ、さわやか〜 で、前向きな気持ちになれたけれどなぁ。


つまりは登場人物の年齢や性格に幅がない、という事かな?
タイムリープしたという「叔母さん」芳山和子が登場するけれど、この人も昔の思い出に殉じているみたいに思える。


今はこんなのが受けるんだな、とちょっと不思議さを感じる。
「あの時が一番輝いていた」とノスタルジーにひたる、ものすごく後ろ向きな映画じゃないかな。