【さらに追記】

伊東乾と島田裕巳オウム真理教の問題の対談が出るようだ。

宗教と現代がわかる本〈2007〉

宗教と現代がわかる本〈2007〉

島田裕巳の「経堂日記」より
http://hitorigurashi.cocolog-nifty.com/kyodo/2006/12/1226_f197.html
コーディネーターは、宗教学科の同級生でもある編集者の渡辺直樹氏。写真は藤田庄一氏と、何かとオウムに因縁のある人間が集まる。対談は、伊東氏がよくしゃべったので、3時間に及ぶ。伊東氏の信仰の問題からはじまって、彼の同級生であるサリン事件の実行犯、豊田享氏のことなど、多岐にわたる。こちらは聞き手に終始した感じ。どうまとまるのだろうか。

伊東氏の本に、あれこれ文句つけているけれど、まぁ出版され それなりに読まれて、カルトにはまる人が減れば、それはそれで良いことだと思う。



しかしなぁ…この本に登場する「相棒」の女子大生は、怪しげじゃない一見まともそうな勧誘にも警戒感は持つようにはなるだろう。 けれども、出家まで考えているような段階の人を説得できるのだろうか。 あるいは既に出家してしまった人を奪還できるだろうか?


伊東氏は、なぜ同級生が出家したのかが、わからないでいる。 
原因のひとつに大学システムを挙げているけれど、それならば海外の大学へ頭脳流出という道もあったのではないのか? それも出来ないくらい、大学のシステムは硬直しているのだろうか? システムを改良すれば、出家しないで済んだのか?


また、検察側論告の出家にいたるストーリーに強く異を唱えている。 マインドコントロールされ、拉致に近い形で出家させられたのだろう、とも書いているが、その具体的な説明や証言が無いために、ちょっと説得力に欠ける。

在学中に選挙活動でお面かぶって踊っていた人について、マインド・コントロールだとか、洗脳だとか主張されても、なんだかなぁ……
「マインドコントロール」という言葉の使い方が、どこか軽い。 範囲が広すぎるだろう。


ナチスや旧日本軍が、現代的マインドコントロール手法の元祖であり、オウム真理教もまたその流れを汲むというということらしい。 旧日本軍などの分析は熱心なわりに、オウムの手法については、踏み込んだ調査・考察が感じられない。


著者は音楽家でもあり、映画や音楽がどうやって戦争やファシズムを引き起こしたかについて考えていたそうだ。 であるならばなおさら、一連のオウムソングやアニメやビデオの分析が不可欠だったのではないか?

麻原が一人で全部作詞作曲し、アカペラで歌っていたわけではないだろう。 
アニメや布教ビデオのシナリオや撮影・効果音、BGM、編集についても、もっと分析が必要だろう。


著者の昔のHPを見ると、その方面の研究だってやっているはずなのに、本の中ではまるで触れられていない。

情報詩学 情報詩学 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/7045/


まだ続きます