コメンタリーが面白い「ミスティック・リバー」

ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

同世代の俳優3人が競演。 


コメンタリーはティム・ロビンスケヴィン・ベーコンが担当。

のっけからティムが「ミスティック・ピザの話をします」とギャグをかましてるw
ググってみると「ミスティック・ピザ」(原題 : A Slice of Heaven 1988)というピザ屋でバイトする3人娘のラヴコメ映画をネタにしている模様。
まぁ、本作も3人の友情の話ってのは共通しているという、わかりにくいギャグだな w



監督業にも挑戦してる二人の話は、イーストウッド監督の撮影手法のことが中心になっている。

  • ボストンが舞台の小説の映画化だから、基本的に全部ボストンで撮影。 エキストラも出来るだけ地元の人間を採用。
  • 基本的にワンテイク。 1日6〜8時間の撮影時間。 
  • 鳥を飛ばすシーンを予定していたけれど失敗。 成功するまで粘って何時間もかけるかとおもいきや、あっさりと諦める監督の決断力が凄かった。

etc.

「いまどきの、スターを見せるだけの容器としての映画じゃない」ということで二人の意見が一致。

コメンタリーを聞きながら映画を見直してみると、性格描写や伏線とかが過不足無く適切に描写されているのに改めて感心したりする。



それにしても…
ネットでの感想をざっと眺めていたら、国際情勢に絡めたような話を書いている人が一定数いて、ちょっとビックリした。
曰く登場人物三人をそれぞれ、力のアメリカ・病めるイラク・力のない国連に見立てるというパターン。 誰が発端なんだろうか?

グラン・トリノ」になると、さらにそういった感想が増えてるような印象も。


思い起こせば、この手の「イーストウッド映画=アメリカ精神」みたいな評論を始めて眼にしたのは「許されざる者」だったような記憶がある。
ラストで星条旗が一瞬うつる場面に、「この場面は、彼が星条旗を背負っていることに意味がある」云々…


そりゃぁまぁ、イーストウッド作品の「リアリティ」からアメリカの精神的風土を読み解きたくなるのは解るけれど、なんだか穿ちすぎな気がする。