鳩山由紀夫のブーメラン 平成12年(2000年)版

平成12年(2000年)の党首討論

第147回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第4号(平成12年3月29日(水曜日))
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/008814720000329004.htm


鳩山由紀夫君  それから、もう一つ同じように、サミットのことで沖縄に総理、この間いらっしゃいましたよね。この沖縄の問題を申し上げたいと思っていますが、なぜ基地を訪問しないで、基地の方を避けて通ってしまわれたんですか。そしてまた、テレビのサンプロでは、やはりサミットが第一であって、基地の問題は今後の課題だとおっしゃった。それじゃ沖縄県民、かわいそうじゃありませんか。なぜ基地の問題を正面からとらえようとされないんですか。


内閣総理大臣小渕恵三君) 基地の問題は次のことだなどと言った覚えはありません。極めて重要な問題であることは承知いたしております。ただ、今般、土日にかけて参りましたのは、いわゆる七月二十一日から開かれます九州・沖縄サミット、特に中央会場の置かれます沖縄県においてどのような準備状況ができておるかということを視察させていただいたわけでございます。
 基地につきましては、私も外務大臣時代にいわゆる普天間基地にみずから参って視察をし、また周辺の方々ともいろいろお話をしております。
 私は、かねて来沖縄県につきましては足を運ぶことがかなり多いと思っておりまして、そのときそのときに当たっていろいろな視察その他いたしておりまして、今般基地について視察をしなかったからといってこの問題について認識が浅いとおっしゃられることは極めて浅薄だと私は思います。


鳩山由紀夫君 それはいいお話を伺いました。
 それでは、クリントン大統領はこの沖縄サミットに関してはっきりと日本政府におっしゃっているじゃありませんか。懸案が解決できないままサミットに伺いたくはないんだと、そういうふうに述べられているでしょう。
 当然の問題として、この普天間の基地移設の問題に関して、これは大きな懸案ですから、この懸案の解決なくしてサミットに行きたくないとおっしゃっているクリントン大統領を総理のあなたはきちっと沖縄の側に立って説得をする義務があると思います。沖縄のサミット前に解決をされる自信を、じゃお示し


内閣総理大臣小渕恵三君) おかげをもちまして、普天間基地の県内移設につきましては、稲嶺知事また地元の岸本市長さんにおかれましてもこの問題について前向きにお取り組みをいただいておることについて感謝を申し上げておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、知事、市長初め、また関係者の皆さんとも十分話し合って、円満にこの問題が解決するように政府としては全力を挙げて努力いたしてまいりたいと思っております。


鳩山由紀夫君 やっぱり、もう少し詳しく聞かせていただかないと困ると思っています。
 もともとこの問題がなぜ起きたのか。米兵による沖縄の少女の暴行事件、これに端を発して、それで沖縄に七五%も集中している基地の問題をもっと沖縄県民側に立って解決していかなきゃいけないんじゃないか、そんな発想で努力が開始されたんでしょう。
 にもかかわらず、結果として県内移設という話は、沖縄県民側にとってみれば完全な解決には実はなっていないんです。だからこそ、十五年間という限定をつけたのは、沖縄県側から見れば、そして名護の市長からすれば当然のことじゃないかと私は思っている。
 ですから、この問題に関してはっきりと答えを見出すのだと沖縄の側に立ってクリントン大統領を説得する自信をもう一度示していただきたい。


内閣総理大臣小渕恵三君) 日本の安全保障のために、沖縄県として多くの基地を有して御苦労されていることに心から感謝も申し上げておる次第でございます。
 したがって、現在、沖縄の知事初め市長、皆さんとも十分これから話し合ってまいりたいと思っておりますが、この基地の移転につきましては、あるいは国外という話もあるでしょう、あるいは北海道という話もあるのかもしれませんが、実際はなかなかこの基地の、特に海兵隊という部隊の特殊性からかんがみまして、やはり沖縄県内に移設をすること以外になかなか道がないということでいたしておるわけでございます。
 しからば、民主党におかれましてはどのような手法でいくか、お答えをいただければありがたいと思います。


鳩山由紀夫君 私どもは、そもそもこの海兵隊に関してはグアムかあるいはハワイ、そういったところ、国外に移設をすることを彼らも期待していた部分があるわけですから、それを先に考えるべきではないかと。それでなければ、国内でも沖縄県の外で候補地をもっと真剣にどうして探さなかったのかということを申し上げたいと思っています。
 実は、きょうもこれから財政の議論を総理にいろいろとお尋ねを申し上げたいと思っていますから、私の意見、民主党の意見だけを申し上げましたが、この問題をクリントン大統領がサミットに来られるときまでに、ぜひ沖縄県側に立って解決の努力をしていただきたい、そんなふうに思います。