改正国籍法を使って襲ってくるモノ
移民政策についての反発だとしたら、この騒動も理解しやすいのだけど、どうも違っている感じ。 なんとも不思議な騒動である。
左右を問わず、国籍法に反対している人の理屈はほとんど同じ。
不気味で狡猾な敵が、ザル法律を使い、日本と子供達を襲う
圧倒的な人数で襲来し日本の富を食い荒らす不貞外国人が敵だ、と思っている人も、いたいけな子供達をさらう闇の組織が敵、と思ってる人も同類。
「敵」が変わっただけだろ。
ネットで拾ったイラストが、ツボだったので貼ってみる。*1
オーソン・ウェルズがラジオで「宇宙戦争」を放送し、パニックを引き起こしたのが1938年。
ニュース実況放送っぽい演出で、当時のアメリカに漠然と広がっていた不安感をうまく刺激して、本当の出来事だと勘違いする人が続出。
更に、放送当時の国際情勢も、このパニックに深く関わっている。同時期のヨーロッパでは、チェコスロヴァキアのズデーテン地方帰属問題をめぐってナチス・ドイツと欧米列強が緊張関係にあり、アメリカ国民の間でも、ヨーロッパで戦争が勃発し、自国も巻き込まれるかもしれないという懸念が膨らみつつあった。このため、火星人による襲撃をドイツ軍による攻撃と勘違いした住民も多かった。
wikipedia:宇宙戦争 (H・G・ウェルズ)
火星人が何のメタファーなのかは、いろいろ深読みもできるだろうけれど…
商業的な放送局が発足したのが1920年代初めで、ラジオ放送が新しいメディアとして大衆化し始めた頃の出来事だった。
日本のネットの空気は、その当時と通じてるのかな?
なんとなく、あわせて読みたい
- 作者: ジョン・ウィンダム,林克己
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/04
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
1960年版の予告 原題:VILLAGE OF THE DAMNED
続編では、国際色豊かな子供達が大活躍
「続・光る眼 宇宙空間の恐怖」(1963) 原題:Children of the Damned
−−−
国籍法騒動はキーワードとして「ゼノフォビア」「レイシズム」「不安のポピュリズム」とか、いろいろ出てくるけれど、なんかそういった言葉の古典的な意味から微妙にズレているような印象もあるのだが、なかなかうまく書けないな。