代理出産女児:インド政府が出国許可 日本渡航へ
タイトルは毎日新聞ニューデリーの栗田慎一記者のモノをそのまま借用。
この記者の記事は、インド政府政府関係筋やら現地メディアをマメに取材しているという印象がある。
15日付記事
インド代理出産:謝礼禁止、インドが新法制定着手
【カブール栗田慎一】日本人男性医師が第三者から卵子の提供を受け、インド人女性に代理出産を依頼して7月に女児が誕生したものの、女児が出国できなくなっている問題で、インド政府は、代理出産に関する法律の未整備が問題を複雑にした背景とみて、代理出産した女性への謝礼を含めた現金授受を禁じる新法の制定に着手した。2カ月以内に草案を公表し、国民から議論を募る。
新法草案は、腎臓など臓器売買を防ぐため現金授受を禁じた法律と類似の内容になるとみられる。保健省幹部は「(今回の日本人医師の女児の問題と)同じ問題が続発する恐れがある」と法制化の理由を述べ、今回の問題が、インド政府に代理出産に関する法整備を迫る結果となった。
インド政府はこれまでも、商業目的の代理出産を認めないとしてきた。しかしインドの代理出産する女性に支払われる平均的な謝礼は約60万円前後と、欧米などの外国人にとっては安価であることから、依頼が年2000件にも及ぶなど商業化も誘発していた。日本人医師も代理出産した女性らに、地元の人々にとっては高額な「報酬」を支払ったとされる。
一方、インド外務省幹部は毎日新聞に対し、近く女児に旅券や渡航証明書を発行するか否かの結論を出すと述べた。新法制定を政府が決めたことで、女児は特例的に旅券を受給できる可能性が強まった。
しかし、日本人医師の弁護士は「女児出国には親権者の確定も不可欠」としており、旅券が発行されても女児の帰国にはさらに時間がかかる可能性もある。
毎日新聞 2008年10月15日 東京朝刊
「新法草案は、腎臓など臓器売買を防ぐため現金授受を禁じた法律と類似の内容になるとみられる。」
この部分は、インドの厚生省大臣Anmbumani Ramadoss氏のインタビュー記事がソースみたいだ。
Adoption and Surrogacy Laws Have Yet to Catch Up
http://thewip.net/contributors/2008/10/reproductive_tourism_soars_in.html
今回の記事でも、さりげなく日本大使館・インド外務省・インド政府幹部の談話を盛り込んでいたりする。
代理出産女児:インド政府が出国許可 日本渡航へ
http://mainichi.jp/select/world/news/20081018k0000m030104000c.html【ニューデリー栗田慎一】日本人男性医師が第三者から卵子の提供を受けてインド人女性に代理出産を依頼し、7月に女児が誕生した問題で、インド政府は17日、女児に対し、親権者が不在でも出国を認める「渡航許可証」を発行した。
許可証は同日中にインド国内で女児の世話をしている男性医師の母親に手渡された。ニューデリーの日本大使館は女児側の請求を待って査証を発給する方針で、女児の日本渡航が確実となった。
インド外務省によると、代理出産に関する法律が未整備であるため、政府の特例的な解釈が可能となった。
親権者がいないため通常の旅券の発行は見送られたが、許可証に男性の母親を「保護者」と明記することで出国を可能にした。
インド政府幹部は「人道面を最優先に考えた」と理由を述べた。
女児側は近く、ニューデリーの日本大使館に査証を申請する。大使館は「申請があれば2日以内には発給したい」としている。
女児は7月下旬、西部グジャラート州の病院で誕生。男性医師は離婚し独身になったため、インドの法律によって親権を失った。
代理母も親権を放棄したため、女児は「孤児」の状態になり、インド政府から旅券を取得できなくなった。
男性医師の母親が8月、旅券取得と女児との養子縁組を求めて提訴。最高裁は1日、政府が旅券を発行するかどうか判断するよう命じていた。
それにしても、最後の最後までグレーゾーンな政治的判断だったんだなぁ。
インド外務省によると、代理出産に関する法律が未整備であるため、政府の特例的な解釈が可能となった。
現地のニュース ビデオ有り
お祖母さんのインタビューと渡航証明書の映像など
Long road home: Baby Manjhi to unite with father in Japan
http://www.ibnlive.com/news/long-road-home-baby-manjhi-to-unite-with-father-in-japan/76117-3.html?from=search
これから日本大使館と話をつけて、日本に来ることになるんだろうが……
まだしばらく前途多難だろうな。