所見発表演説会の感想

石原伸晃

自分語りが多すぎ。 小泉内閣での行政改革担当相を2年半務めたことを、実績として語っている。 その延長線上に、自身の政権構想があるのだろうが、大臣時代のヘタレっぷりを記憶しているから、政策実行力には疑問符がつく。
政策もいろいろ語るが、メリハリがない。あちこちに気を配りすぎで、抽象的という印象。 国会議員定数削減だけが耳に残った。
リーダーと言うより、まだ中間管理職のトップじゃないか? 

小池百合子

スピーチはうまい。 自身の経験と、最近の時事・風俗問題を絡めて飽きさせない。
新聞記事に取り上げられやすいキャッチーな話題と、スポーツ紙・ワイドショーのネタにされやすい事の硬軟取り混ぜている演説。
とはいえ借り物の言葉が多い。「change」「もったいない」「次は霞が関をぶっ壊す番だ。」「女の道は一本道」etc。*1
官邸機能強化で強力な政治主導体制を構築すべき、というのは安倍内閣での内閣総理大臣補佐官を思い起こさせる。
安倍内閣の夢をもう一度」なんだろうな。

麻生太郎

全体の3分の2ほどが、一保守政治家としての覚悟と決意の表明という印象。
政策に関しては、3年連続で総裁選に出馬し、そのたびに表明しているせいか、ざっくりと語るだけ。
二人続けて政権投げ出した後だから、政策を細かく述べるより覚悟と決意を強く表明することを選んだのだろう。


立候補ご挨拶    ⇒http://www.aso-taro.jp/sousaisen/20080911-3.pdf
政策「日本の底力」 ⇒http://www.aso-taro.jp/sousaisen/20080911-1.pdf
所見表明演説(要旨)⇒http://www.aso-taro.jp/sousaisen/20080911-2.pdf

石破茂

福田総理辞任表明へのお詫びから始める。 前半は911テロと、湾岸戦争の話。
後半は限界集落など、地方の問題を中心に熱く、濃く語る。
石原伸晃と正反対。 東京出身の石原が広く政策一般を語るのに対し、鳥取出身議員が国防と弱者に絞って政治信念を示すという、非常に対照的な二人だった。
「軸だけは決めておくから、後は各自努力せよ。」という政権構想か?

与謝野馨

熱く語った二人の後なので、ちょっとやりにくそう。 軽妙に自身の政治家としての経歴を語る。
福祉政策を維持・防衛は財政規律維持なくしてはあり得ないと主張。消費税増税の必要性をソフトに訴える。 しかし増税の影響や、経済政策などはあんまり語っていない
「損な役回りだけど、それを言わなきゃいけない立場になっちゃったなぁ」という覚悟というか達観は感じられたが……
誰が総理大臣になっても、財政規律維持と言い続けるための出馬なんだろうな。
「若い人に、だいたいは任せるけれど、財政規律だけにはうるさい頑固爺。」という総理になりそう。

所見発表演説会で5候補がそれぞれの政策を訴える
http://www.jimin.jp/sousai08/news/20080911a.html

立会演説会要旨=自民総裁選
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008091100926

*1:そのうち米副大統領候補をまね、眼鏡をかけるんじゃないか?