ケータイ小説の起源(4) 老舗の誤算
最近「大手出版社も続々ケータイ小説市場に参入」みたいなニュースを聞いたような気がするが、実はケータイで小説を配信する試みは、最初期からいろいろ有った。 「ヒット」してテレビドラマ化されたものも有る。
「エラいところに嫁いでしまった!」は、元々は新潮ケータイ文庫の連載エッセイだった。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2007/06/22
- メディア: DVD
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新潮ケータイ文庫サイト より
http://www.shinchosha.co.jp/keitaibunko/
もっと気軽に読書を楽しんでほしい――そんな思いから生まれた「新潮ケータイ文庫」は、ちょっとした時間に雑誌感覚で楽しめる小説配信サイトです。人気作家の書下ろし長編や旬の作家の力作短編のほか、懐かしの名作、コラムなど、すべてのコンテンツが210円/月(税込)※で読み放題。メール配信機能やアプリソフト「たてがきくん」を使えば、いつでもどこでも気軽に読書を楽しめます。
※EZweb、Yahoo!ケータイ!は105円/月(税込)です。
通信費は別途かかります。
他の老舗大手出版社の「ケータイ小説」サイトも、ほぼ似たようなコンセプト。
210円/月(税込)は、はたして高額なのかな。 ともあれ、有料・無料ということは、かなり重大な問題ではある。
老舗のビジネスモデルって「読者は、面白いものを読むために金を払うはず」「その為に良質のコンテンツを用意する」だった。
しかし、読者は無料のケータイサイトをチェックして、本になったらそれを買って再読する、というパターンで動いた。
しかし、これまでとの一番大きい違いは「編集の目が入っているかどうか」じゃないかな?
いくらジュニア小説の文体がスカスカで、ページの下半分はメモ用紙になる、などと言われていても、ケータイ小説独得の改行の多さ、文字の少なさを容認する度胸が編集者に有ったかどうか…
「ケータイで読書」という発想だと、持ち込み原稿は「紙」なんだろうかなぁ? あの文体はケータイの、スクロールして次のページに飛ぶというリズム無しにはあり得ない。
まずそれ以前に、「受ける」とは思えなかったのではないか。 ボツにされていた可能性が高いような気がする。
ネット上には昔から小説のサイトがあり、お互いに批評などしていたけれど、その中に発表したとしても、ボロクソに評されそうな気がする。
ケータイ文化圏だからこそ、気楽に発表できた「小説」なのだろう。