インテリジェンスの事など

北方領土の面積二等分論

「麻生氏は北方領土の面積二等分論に言及した」と一部で言わ続けている。
評論家の三宅久之がテレビ等で何度か言及していた。
この話は、国会の外務委員会の前原誠司への答弁で「4島の面積比をしっているか」に答えただけのもの。 それに尾ひれが付いて、ロシア政府まで反応してたりする。
これは国会答弁を調べればすぐに分かる話であり、麻生太郎もマスコミで正式に否定している。 
なぜ、こんなヨタ話がいつまでも流布されているか不思議だったが、そこあたりの事情を佐藤優が解説していた。

外相交代と対露外交(上)
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200709120010o.nwc

麻生前外相は対露外交の改善に意欲的だったが、外務官僚の振り付けがよくなかった。「三島返還論」や「(北方領土の)面積二分割論」のごとき、北方領土問題の基本である歯舞群島色丹島国後島択捉島に対する日本に対する主権(潜在主権)を確認して平和条約を締結する以外のシナリオを麻生氏が考えているとの憶測が広まってしまった。


 端的に言うと、外務官僚が「三島返還論」、「面積二分割論」をあたかも麻生氏の政治的イニシアチブであるかのように打ち出して、ロシア側の反応と日本世論の反応を見て、「いける」ということとなれば、その成果を外務官僚が簒奪し、「まずい」ということになれば、全責任を麻生氏に押しつけるというシナリオだった。事実、「三島返還論」、「面積二分割論」を振り付けた外務省の松田邦紀ロシア課長(当時、現イスラエル公使)は自らの責任については一切ほおかむりしたまま逃げてしまい、リスクはすべて麻生氏が負う形になっている。


 8月30日付産経新聞のインタビューで記者が「麻生氏は北方領土の面積二等分論に言及した」と水を向けたのに対し、町村氏は「面積二等分論についてコメントすることもないでしょう。とても現実的なものとは思えない。4島一括返還というのがわれわれの年来の主張だ」と答えている。「面積二分割論」を葬り去ったのはよい。しかし、問題はその先だ。

元官僚 片山さつき

彼女の名をはじめて知ったのは、2005年初めの潜水艦騒動だった。
財務省の防衛担当主計官が中央公論2005年1月号に論文発表ということで、かなり話題になった。
現役財務省官僚が、主張を通すため広く世論に訴えるという手法に賛否両論だったな。 
懇意のマスコミに情報を流して自衛隊叩き…というのよりは、マシではあるの、とは思う。 ちゃんとした政策論争が出来れば…


この事件以降、彼女には警戒感を持っている。 小泉チルドレンとなったのには、正直ちょっとイヤな感じだった。


昨今の年金問題でも活発に発言していた。
「システムは数カ月でできる」「(社保庁には)SEがいない」とか基礎年金番号導入時の厚生大臣菅直人の責任をでっかく描いた広報ビラを作成したりと、いろいろ。

情報システム開発の専門家はこんな感想を漏らしている

片山氏は今後,ITに絡んだ話題について発言するのは避けた方がいい,と筆者は思った。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20070705/276798/

軍事やITなどの、必ずしも彼女が得意ではないと思われる分野についての発言は、かなり危なっかしい。
しかし、その自覚がないまま「広報」が得意だと思いこんでいる風があるのではないかな。


【追記】(22:30)
彼女の周辺には、前にも「謀略」騒動が有ったのだな。

片山さつきの“謀略発言”に城内実が怒った!! (8月26日10時0分配信 日刊ゲンダイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070826-00000011-gen-ent


安倍氏が辞任を表明した日の夜に、マスコミからインタビューされてた時に

「政権を支えるふりをしながら、後ろからナイフで突き刺してた人がいる」

と、返答していた。 そういってチルドレンの先頭に立って走り回り、テレビ出演をこなしていたのだが…
あっという間に福田新鋭の出陣式で腕を振り上げたりしている。


なんとゆうか、彼女は中川前幹事長の下で広報担当として活動。 中川秀直氏や竹中平蔵氏と同じ政策研究会に出たりしている。
福田氏の政策を支持した、というよりは、福田氏を支持する人の政策を支持したというところだろう。
そもそも、小泉担ぎだしの動きは、中川氏が言い出したことと報道されてもいたからなぁ。


「後ろからナイフで突き刺してた人がいる」発言は、直後から流れた「AY宮中クーデター説」を裏書きする発言と受け止められていた。



石原伸晃がテレ朝サンプロで辞任前後の話をしたあたりから、「AYクーデター」説は急速に収束し始めた。
TBSに「麻生メモ」というか、組閣の提案をしたためた手紙が公開されて、組閣人事が麻生主導だったという話も立ち消え気味。


片山さつき氏は「AY宮中クーデター説」を信じているのだろうか。
信じていたとすれば、インテリジェンスに問題有り。 それを信じたほかの議員も同様だな。
それとも「後ろから…」発言には別の意味が有るのだろうか。


というか、彼女が謀略の発信源ではないか、なんて思えてくるなぁ。

今晩(17日)、「麻生メモ」をスクープしたTBSニュース23に出演するそうだが、彼女はなにを語るだろうか。

インテリジェンスの専門家達

「宮中クーデター」ってのは、遠藤武彦を安倍の頭越しにAYラインが斬ったという話とか、人事権の話。


16日の日本テレビザ・サンデー」に麻生推薦人の一人中川昭一が出演。 「宮中クーデター」説を一蹴。
テレ朝「サンデープロジェクト」に石原伸晃が出演。 同じく一蹴。 スタジオも「怪情報」扱いだった。


TBSの報道特集で「安倍へ宛てた麻生の閣僚推薦メモ」が紹介される。 そのほとんどが採用されなかったとも報道されたとか。
手紙は本物であったようだ。
国のトップ同士の私信がリークされるってのも、凄い話ではある。

  • 内閣改造で干された塩崎近辺がリーク
  • 実は麻生に恨みのない安倍が助け舟のつもりでリーク

どっちかな?


謎の安倍側近による「AYラインの宮中クーデター」説を信じているらしいのは、手嶋龍一・阿部重夫三宅久之・宮崎哲也・吉崎達彦(溜池通信) の模様。
彼らは、この手紙について言及するだろうか?


上にも書いたけれど、三宅久之は「麻生氏は北方領土の面積二等分論に言及した」と言っちゃう人。
宮崎哲也は、ガセメール事件の時、相当後まで本物の可能性があると言っていた人。
彼らは情報の裏をとらない、または怪情報・某関係者からリークの方を信じやすい人なんだろうな。