アレクサンドル・ソクーロフ監督「太陽」

太陽 [DVD]

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ロシアの監督ならではの映画なんだろうか? 王様を殺した国ならではの視点、とでもいうか。


幽閉生活ののち暗殺されたロマノフ王家とか、ルイ16世マリー・アントワネット夫婦などに通じる歴史絵巻という印象。
政治的なことや、歴史考証などとは違う次元での「フィクション」であり、だからこそ普遍性があるように思う。


「現人神」は、空襲や原爆で焼き尽くされてしまったのかも


淡々と、しかし重苦しい戦中の「退屈」な描写と、「人間宣言」を決意し、そして「夫婦」の再会、皇太子に会いに行くまでの開放感のコントラストが凄い。


ヤンキーな米兵(変な言い方だな)に茶化される天皇
このとき時代が、決定的に変わってしまったんだろうな。
このときから世界中はヤンキーだらけだ。


それにしても、監督の日本と米兵との描き方の差は……かつて王室があった国ならでは、なんだろうかなぁ?


イッセー尾形似ている!!
桃井かおりって大丈夫か? ソ連留学経験があるから、抜擢されたのかなと思ったら、意外なことに好演(失礼)。
マッカーサーには、若干の違和感が有ったりするのだが


悪夢のシーンはハウルの動く城 [DVD]みたい。
ナマズの研究をしている人にも、是非見てもらいたい映画だった。