前原誠司大臣がキレた件について

衆議院のサイトで確認してみた。
以下の3つの報道とも、肝心な点が抜けている。


産経新聞だと、記事のタイトルが釣り

前原国交相、自民・町村氏に逆ギレ「さっきから聞いていたが…」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100125/plc1001252028014-n1.htm

大臣が「逆ギレ」とは非常に不思議な表現なので、状況が謎。
報知新聞の方だと、なんとか状況が把握できる。

町村氏の挑発に前原氏がキレた…衆院予算委
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20100126-OHT1T00025.htm


J-CASTニュースだと、もう少し詳しく両者の発言が紹介されている。

前原大臣「混乱、前政権のせい」 「その通り」か「逃げ」か
http://www.j-cast.com/tv/2010/01/26058675.html

だけど『 これに町村は「(略)」と答えたのがやっと。』というのは、あまりに恣意的な書き方だ。
「やっと」もなにも、お互いに議長から「質問時間を過ぎているので、発言を止めて」と制止されながらのやり取りだった。



街頭部分の動画が有った。

前原誠司大臣がキレる【2010/01/25】


そもそも、このやり取りは町村氏の質問の一番最後の締めの発言を巡っての出来事。
質問の締めとして、公共事業削減問題の代表例として八ッ場ダムに触れただけだった。 前原大臣に皮肉を言って、本来はそこで質問が終わるはずだった。 町村氏は前原大臣に質問を求めたわけではない。


前原大臣は町村氏の挑発に「キレて」発言を求め、それを議長が許可してしまう。
つまり議長がワイドショー的見せ場を創り出してしまっている。


民主党議員が委員会の議長職を勤めるようになってから、この種の「答弁を求められていない大臣に答弁させる」議事進行が増えている。
昔から総理大臣に答弁を求めても関係大臣が答えて「ソーリ ソーリ ソーリ」となるのは国会の日常的風景だったけれど、それよりも更に酷くなっている。


直接に答弁を求めていないのに言及があったからと大臣に発言を許すという、議長の議事進行がこのところ頻発している。
「あなたには聞いていません」「質問時間がもったいないから、答弁を止めてください」というやりとりを、何度も聞かされている。


国会は政府の宣伝の場じゃないだろう。 そういうのは与党の質問の時にやればいい。
民主党出身議長の議事進行は、ちょっとひどすぎるぞ。