赤松農水大臣と秋田県が全面戦争?

秋田県では連日トップニュース。 
地元新聞もネットに上げている記事の3倍以上つかって報道している。

昨日の農水大臣記者会見で、そろそろ全国ニュースとして取り上げるまで炎上してきた。


11月26日からの動き 

http://www.j-cast.com/2009/12/10055940.html
民主目玉政策「農家戸別所得補償」 「秋田県外す」発言で大騒ぎ
赤松農相は「秋田県知事らは(新政権の方針を)理解していない。(秋田県などが)大潟村にペナルティーを課した場合は、県全体を制度の対象から外す」と断言。


赤松農水相は、 「反減反派」 のシンボルとして知られる農家・涌井徹さんらの前で
減反政策で、皆様に多大なご迷惑をかけた」
などと謝罪。


http://mainichi.jp/life/today/news/20091210ddm041020074000c.html
赤松農相減反不参加農家に罰則なら、戸別補償「秋田外す」 「事実と違う」県反発
農家の戸別所得補償制度を巡る赤松広隆農相の発言に対し、秋田県が「事実に反している」と反発、撤回を求めている。


http://mainichi.jp/area/akita/news/20091211ddlk05020008000c.html
米生産目標:農相発言、山田副農相が釈明「制度除外あり得ない」 /秋田
山田正彦副農相は会見で「誰が考えても(制度から外すことは)あり得ないと思っている。(赤松農相は)軽い気持ちで話したと思う」と釈明した。


http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20091211-OYT8T00147.htm
赤松発言に民主「誤解」
民主党県連の松浦大悟代表は県JAとの会合で「農相発言は誤解に基づいたもので、県が制度から外れることはない」と釈明した。


秋田県選出民主党議員は全員困惑中。
寺田学議員(最近仕分けで顔が売れてる)もblogで謝罪。


全文転載

http://www.manabu.jp/diary/index.php?20091211
「赤松大臣発言」


タイトルのことに関し、
昨日山田副大臣から
秋田県だけ所得補償制度から除外されることはありえない」との発言があった。


当然のことゆえ、驚きはないが、
このような話題が生まれたこと自体には、
地元の議員として非常に驚いている。


副大臣も説明している通り、
大臣の発言の根拠となる情報が、正確とはいえないものであった。
これは民主党秋田県連としても同様の認識を持ち、
省庁側、政務三役側には当該認識を伝えていた。


そのような事実認識のもと大臣が発言されたものなので、
副大臣の発言は当然の事だ。
大臣からも同様の発言があるだろう。
そのことをもってこの話題が終焉を迎えることを祈る。


ただ、
このような話題となってことに関し、
そしてまた、このことによって多大な不安を県民各位に与えてしまったことに関し、
県選出の議員として、深くお詫びしたい。


大変申し訳ございません。


そして注目されてた昨日の大臣記者会見

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121101000456.html
赤松農相「撤回の意思全くない」 秋田外し発言で
秋田県を戸別所得補償制度の対象から外す可能性もあるとした自身の発言について
「撤回する意思は全くない」と述べ、政府方針に沿った制度運用をあらためて秋田県に求めた。

TBS報道の解釈では、かなり凄いことになっている。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4306566.html
秋田除外発言、農水相「撤回意思ない」
 この日の会見で赤松大臣は、減反に協力しなかった農家への罰則は課さない方針を強調し、秋田県が罰則を課した場合、戸別所得補償制度の対象から外す考えを改めて示しました。

赤松農林水産大臣記者会見 12月11日 文字起こし
http://www.maff.go.jp/j/press-conf/min/091211.html
動画


http://www.youtube.com/watch?v=VxyPLlleMSY

文字起こし読むと後半、話がこんがらかってる感じ。
動画だと58分も有る。


この件の質問が出されたとき、大臣はまってましたとばかりに「撤回する意思は全くありません。」と宣言。
しかし、後半かなり頓珍漢な質疑応答になっている。

記者:確認なんですけれど、今の点で、秋田県内の生産数量目標の配分に、配分の仕方で、国の方針に従わなければ、県全体を対象から外すと。


大臣:そんな細かい言葉を言ってないの。数字がどうこうという・・・。


記者:そういうふうにとれますよ、今の。


大臣:いやいや、僕は、全体の、この基準、戸別所得補償制度の基準や、目的や、そういうことを理解して、それの下でやっていただけるという方じゃないとできませんねと。それも、ご自身で判断するんです、ご自身で。「入りたい」とか、「俺は入りたくない」とか、それは、今までと違って、強制力はないんですから、ご自分が決められればいいんですよ。


記者:その「自身」というのは、農家のことをおっしゃっているのですよね。


大臣:いや、だから農家でもあるし、トータルで、だって、県がいろいろやる場合だってあるわけでしょ。


記者:トータルで、県として配分の方法が・・・。


大臣:だから、何、今、だから言ったでしょ。麦・大豆で、僕らは、3万5千円だと決めているのに、それは、俺のところは5万円だとか、あるいは、これはもう1万円しか、これはもう作らせたくないからやらないとか、いうことの独自の基準を作ってやられる場合は、それはこの制度に馴染みませんねということなんですよ。


記者:大臣、これは提案なんですけれども、今、「この期に及んでも」というか、やっぱり、なかなか分かりにくいという方もいらっしゃるし、そういう不満の声も上がっているのは事実ですから、もう役人に任せると、なかなかその辺はうまくいかないと思うんですね。だから、それは、政務三役が、そういう、ちょっともめているような、理解が、ちょっと難しいというところには出張っていって、直接、説明するという機会を作られたほうがいいんじゃないでしょうか。

最後は記者が匙を投げた。



何を秋田県側が問題にしているのか、大臣がまるで理解していないのか、あえて答えをはぐらかしているように見える。
12月10日秋田魁新報社説にも、まるで答えていない。

副大臣秋田県選出民主党議員が穏便に事態を収めようとしていたが、もはや彼らも庇えきれない大臣の暴走ぷり。
このままいくと、大潟村を「新モデル農村特区」なんかに指定するとか言いかねないかも。



以下12月10日秋田魁新報社説と12月16日コラム

社説:農相発言問題 秋田外しの真意ただせ
http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20091210az

 赤松広隆農相が8日の閣議後の定例会見で、本県の市町村へのコメ生産目標数量の割り当ての在り方を批判したことが波紋を広げている。

 生産調整に従わない過剰作付けが県内で突出している大潟村を引き合いに出しながら、「戸別所得補償制度の下では、ペナルティーは科さないことになっている。それでも秋田は勝手にペナルティーをやると言っている。それならば、秋田県全体を対象から外す」と述べたのである。

 これに対し県は同日、赤松農相の指示で県庁を訪れた農水省幹部に、勝手にペナルティーを科すようなことを言った覚えはなく、農相発言は「事実無根」と抗議している。当然の措置だろう。

 民主党の目玉政策である戸別所得補償制度を、農業県である本県に対し、場合によっては除外もあり得るとする発言には、開いた口がふさがらない。特定の県へ「脅し」とも取れる発言をすること自体、許せるものではない。真意をただすことも含めて、佐竹敬久知事をはじめ関係者は毅然(きぜん)たる態度を示すべきである。

 農相発言はまた、生産調整に応じない大潟村の一部生産者を知事や県農林水産部の幹部、県議会自民党などが批判しているとし、「地方へ行くと、(民主党政権になって)時代が変わったこと、今までの仕組みと百八十度違うということを理解していない人が残念ながらまだいる」とも述べている。

 この発言もいかがなものか。「地方の理解が進まない」と言うなら、理解を得るよう努力するのが国の務めのはずである。いくら政権が変わったからといっても、行政の継続性というものも当然求められる。「地域主権」を叫ぶ民主党の大臣とは思えないような物言いだ。

 国は都道府県別の生産目標数量を定めているが、県内分の目標数量は県が市町村に振り分けている。2009年産米の国から本県への生産オーバー分のペナルティーは292トン。このうち大潟村だけで274トンと9割以上を占めている。

 県はさらに公平性を確保する措置として08年産米から新たな調整の仕組みを設け、市町村間にある不平、不満の解消を図っている。農相発言の背景には、こうしたペナルティー大潟村に集中していることがあるのではないか。

 戸別所得補償制度下では、生産調整への参加、不参加は農家個々が決めるという「選択制」となる。農相は当然、ペナルティーは存在しないとしている。ただ、これまで国の政策に従って生産調整に応じてきた農家にとっては、作付面積が減少する可能性もあるだけに問題は尾を引きそうだ。

 農相発言は、ルールを守ってきた県内農家には納得できない内容。その声をしっかり代弁するのも県の責務だ。
(2009/12/10 09:36 更新)

北斗星(12月16日付)


 よく「綸言(りんげん)汗の如し」という。綸言とは天子や君主の言葉のこと。一度出た汗が体内に戻らないように、君主の言葉は取り消すことができないという意味だ。今では政治家の言葉の重さを表す時に引用される

▼綸とは太い糸のことである。君主の言葉は、口から出る時は糸のように細くても下に達する時には太くなる。だから綸言なのだ。でも、この人の場合は太くならないばかりか、どんどん糸がこんがらかってしまう

赤松広隆農相の発言である。大潟村のコメ生産調整をめぐり、本県を戸別所得補償制度の対象から外す可能性がある、と。随分過激なことをおっしゃるものだ。除外などあり得ないと副大臣がフォローしても、農相は「発言撤回の意思なし」の一点張りである

▼徐々に論点がみえてきた。要は、生産調整の非協力農家が多い大潟村に蓄積されたペナルティーの取り扱いだ。2、3年の激変緩和の時期を経てゼロにしたい農相に対して、もう少し長い時間が必要という県側。協力農家が不利益にならないようにしたい県の配慮は当然だろう

▼どうやら、このズレが騒動の根底にあるらしい。悩ましい問題だからこそ、本来なら国と県が知恵を出し合うべき時なのだ。この機会に村を一つにまとめたい農相の気持ちも分かる。でも、だからといって脅しまがいの文言で「除外」を持ち出すのは筋違い。およそ綸言とは程遠い

▼暖冬から一足飛びに冬本番へと突入した本県。心まで寒くなる話など、まっぴら御免だ。
(2009/12/16 09:49 更新)