オバマ大統領のロシア経済学院卒業式での講演

米大使館HPの7月23日付で日本語訳(仮)が掲載されてた。

http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-20090707-77.html




なんで、こんな地味な(オバマ大統領にしては)演説を載っけるのかなと、ちょっと思った。
カイロ大学での講演後、欧州にわたり第二次大戦の戦跡巡りしたスピーチの方が、私としては興味深かったのだけれど。
それに7月12日のガーナ演説のほうが世界的ニュースだったので、ちょっと以外な気もしたが…


でも、スピーチを読んでみると、けっこう興味深い。
軍縮とアフガンでのテロ対策などに触れている関係上、日本も無関係ではないわけだし。


冷戦で敵対したロシア相手に、第二次大戦時の同盟のエピソードを交え、これだけ讃える姿勢はたいしたものではあると思いつつも… ちょっと微妙な気分も。


経済学院卒業式での講演なので、経済の話が中心。 でも、なんとなく直後のガーナの縁説と同じ「第三世界」向けみたいな論調になってるような気がするぞ。



微妙に気になった部分。
ロシア向けの演説ではあるのだけれど、米国大統領としての「原則」をこう述べている。

 国家の主権は国際秩序の基盤でなければなりません。すべての国家が自らの指導者を選ぶ権利を持つべきであるのと同様に、国家には、国境の安全を確保する権利、そして独自の外交政策を持つ権利がなければなりません。それは、米国の場合と同様、ロシアについても言えることです。いかなる制度であっても、こうした権利を委譲してしまえば、無政府状態に陥ります。だからこそ、私たちはこの原則をあらゆる国家に適用しなければなりません。そしてそれには、グルジアウクライナのような国々も含まれます。米国が他国に安全保障体制を強要することは、決してありません。いかなる国家も、例えば北大西洋条約機構(NATO)のような組織に加盟するためには、その国の国民の過半数の支持を得なければなりませんし、改革を実行しなければなりません。そして、その同盟の使命に貢献することができなければなりません。ここではっきり申し上げておきますが、NATOはロシアとの対立ではなく、協力を求めるべきです。

(ゴチックは引用者)


日本の政権交代の可能性は高く、民主党が現実路線に舵を切りつつあるとはいえ、日米関係がやや微妙になるかもしれない時期の演説だけに、ちょっと注目したい部分。


11月に来日予定とのことだけど、どうなるのかな。
「対ロシア程度」の友情をしめすだけ、ということになりそうな気もする。