ケータイ小説の起源(6) 作家たち

ケータイ小説の作家たちってのは、変な先入観で語られすぎな件について

ケータイ小説がベストセラー上位席巻以降、さまざまにメディアで語られているけれど…
そーとーに偏見混じりだ。


一番典型的なもの

ケータイ小説の作家と藤原新也の会話を撮っていたのだけれど、なんだかな…
傷ついた子供たちの魂の叫びをすくい取る孤高の写真家、というポーズがあざとい。 浜崎あゆみとのコラボを思い出すな。*1


番組のなかの藤原新也の考察

ケータイ小説(In its right place   mn_krさん)
http://d.hatena.ne.jp/mn_kr/20071121/1195603149
(…略)藤原はこの現象を近年の「家庭崩壊」――彼はそういった実例を数多く取材してきた経験があると番組内で述べている――と結びつける。そして、そういった環境のなかで親からの愛情を受けずに育った若者達が、大人たちとは無縁に――そこには、大人たちへの諦めも含まれているだろう――自分たちの癒し(それは愛情によって達成される)を求めはじめた結果として紡がれてきたものが「ケータイ小説」なのではないかと結論付ける。彼らに欠けた愛情の契機を補完するためのものとして、または傷つき綻んだ愛情を再度縫い合わせるためのものとして「ケータイ小説」は読まれている。そういった考察だった。

老舗文芸出版社「パンダ舎」(仮名)で働いている「鞠小路まり」さんのblog「パンダのため息」にYoshiさんと会った話が載っています。
結構プライドが傷つけられたみたいw

Yoshiという人 1〜3
http://pantame.blog61.fc2.com/blog-entry-247.html
http://pantame.blog61.fc2.com/blog-entry-248.html
http://pantame.blog61.fc2.com/blog-entry-249.html


佐々木俊尚も、ケータイ作家の未来(みく)さんと会った話を書いている。

ソーシャルメディアとしてのケータイ小説
http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2007/12/20/entry_25003250/

私の想像は、いま思えばまさに馬鹿馬鹿しいステレオタイプではあった。

小説の主人公のようなタイプの人と想像していたのが裏切られた、ということだが…
なんか新しいステレオタイプを創り出しているのじゃないか??
まるで現代の巫女、シャーマンみたいなものにしていないか?*2

 私は未来さんに「小説はどうやって書いているんですか?」と聞いてみた。彼女はこう答えた。「夜寝る前に、布団に入って……電気も消して、真っ暗な中でケータイの画面だけを見ながら書いていくんです」。その暗くて暖かい親密な空間の中で、集合的無意識はケータイの明るい画面の中へと流れ込んでいくのである。


なんか、みんなある種の一つのパターンに落とし込みたがっている気配を感じるなぁ。
もうちょっと、ちゃんと取材してもらいたいものだ。


これだけの規模に成長した分野なので、当然ながらいろんな人がいる。
自分のwebサイトを持っている人もいるし。


一部で「ケータイ小説のクイーン」の異名をもつという内藤みか氏の記事が、「+D モバイル」に載っています

実は内藤氏は、22歳からスポーツ新聞の官能小説などを手がけており、10年のキャリアがあった。

なんちゅうか、この記事ひとつで上にあげた作家・編集者・記者たちの考察はぶっ飛ぶんじゃないのか??


魔法のiらんどのサイトには、人気ケータイ小説家の座談会が掲載されている。
創作の秘密なども語っているぞ。

前出の老舗文芸出版社の中の人のエントリーと読み比べると、非常に可笑しい。
自費出版大手の「新風舎」が民事再生法の適用申請したというニュースとも【あわせて読みたい】w

(注:書籍化の裏話をうけて)


司会者:そこらへんは編集の方と話し合いながら進めるんですよね。
でも「また会いたくて」が本になった頃って、まだケータイ小説っていうのはそんなに書籍化してなかったですよね。・・・最初に話がきたとき、びっくりしませんでした?


SINKA:実は俺、その前に一度出版社から直接書籍化の話がきたことがあって、一度断ってるんですよ。今ではもう出版社の名前は覚えてないんですけど、出版詐欺だと思って(笑)。
で、その後iらんどから話を聞いたときも、最初は詐欺だと思いましたね。書籍化って言う意識もない頃だし、魔法の図書館もなかった時代なんで・・・。
まず、「騙されないように」っていうことだけ気をつけよう!って。
http://ip.tosp.co.jp/Portal/i.asp?I=AWD0011&P=7

*1:2000年にayuとコラボ。 ayuの詞と藤原の写真のポスターが作られた。 参考 http://londonbridge.blog.shinobi.jp/Category/12/ 

*2:むかし大塚英志が「少女民俗学」などと書いていた頃を思い出した。