ウテナ好きは必見「しゅごキャラ!」

変身魔法少女アニメを今現在の感覚で作るとこうなる、という佳作。
ただ、こういうアニメに夢中になる女の子達が多い時代ってのはしんどいな、という感慨もあるアニメだなぁ。

起源について、ちょっと考えてみた

変身魔法少女アニメとしては「秘密のアッコちゃん」の系譜。 
普通の女の子が、ある日妖精から魔法をさずかり、変身してトラブルを解決するというフォーマットをきちんと継承している。


『秘密のアッコちゃん』(漫画1962年、アニメ1969年)から『魔法のプリンセスミンキーモモ』(1982年)までは、カッコイイ大人のお姉さんに変身するのが一般的だった。 婦警さん・看護婦さん・女探偵・レーサー等々…
ミンキーモモの主題歌より

どんな 私に出逢えるかしら
大人になったら何になる
大人になったら何になる
dreaming(oh dreaming)夢が きっと叶うわ
love love ミンキーモモ(love love)お願いきいて(ミンキーモモ)


魔法の天使クリィミーマミ』(1983年)あたりから、流れが変わったように思う。
10歳の女の子が魔法をさずかり、16歳の少女に変身しちゃう。 
主人公は「この魔法を何に使おうかなぁ」と戸惑っているうちに、成り行きでアイドルデビューしてしまう。
このころから「大人」じゃなくて、少女が「少女」に変身する設定がうけるようになったのではないか?

テレビ主題歌はこんな風だ。

でも好きになったら いくつかの
魔法を見せるわ 本当よ
そうよ 女の子のハートは
星空に 月の小舟浮かべ
夢を探すことも できる


美少女戦士セーラームーン』(1992年)以降は、「大人に変身」というは無いのじゃないかな? せいぜい若干年上の「お姫様」「王女様」に変身するの程度だ。

過去のアニメとの関連

セーラームーン』と『少女革命ウテナ』の影響を、最も強く感じる。
セーラームーン少女革命ウテナも、中学生が主人公だった。 その設定を小学生を主人公にした作品で見ることになろうとは…
そして、それが普通の「少女マンガ」として、普通の女の子達にヒットするあたりに、時代を感じる。


虹水晶が出てくるのはセーラームーンSだったか? 妖魔に変身してしまった友人・知人と戦うハメになるヒロイン達。
これはかなりエロくて、かつ怖い設定だったな。


私は「しゅごキャラ!」をアニメの方から見始めたのだが、プラネタリウムが出てくるシーンを見たときアニマスタッフの趣味で「ウテナへのオマージュ」をやっているのかと思ってた。
コミックを見ると、ウテナへのオマージュがてんこ盛りだったし、アニメはますますウテナ黒薔薇編になっていく。


まぁ、一見そうは見えないように、ふつうの少女マンガとして再構成されてはいるのだけれど…


こういうマンガを普通に楽しめる今時の小学生は、けっこうしんどいのだろうと思う。